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Lam, N. D.*; Diep, T. B.*; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.120 - 130, 2000/03
植物の環境ストレス下での生育に対する照射キトサンの効果を調べた。キトサンは50ppm濃度で植物の生育に悪影響を及ぼすが、100kGy以上の照射で生育阻害効果は減少した。植物に対して毒性を示す重金属バナジウム(V)は、照射キトサンを添加することにより毒性を抑制することができた。ほかの重金属Znや塩によるイネの生育阻害に対しては、照射キトサンの抑制効果は認められなかった。とたがって、キトサンの重金属阻害抑制効果があることから、作用メカニズムとしてキトサンのキレート能以外の作用を考慮する必要性が示唆された。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.101 - 106, 2000/03
照射キトサンの植物への利用として、果実保蔵への応用を検討した。マンゴーのコーティング剤としての効果を検討した結果、予備試験の段階ではあるが興味ある効果が明らかとなった。非照射キトサンのコーティングでは腐敗が認められたが、照射キトサンでは15日間腐敗もなく、熟成の進んだ品質の良いマンゴーが得られた。一方、非照射キトサンに抗カビ剤を混ぜたところ、腐敗を防止することができた。しかし、熟成が進まずマンゴーの品質は悪かった。照射キトサンには抗カビ作用が誘導されることから、この抗カビ作用とガス透過性(CO及びO)が照射により改善されたため、果実のコーティング剤としての性能が向上したものと考えられる。
久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.87 - 93, 2000/03
多糖類の放射線処理に関するこれまでの成果を報告する。放射線処理の目的は、(1)放射線殺菌と(2)放射線改質に大別できる。放射線殺菌に関しては、マレーシア原子力研究所(MINT)との二国間研究協力により進めてきた「オイルパーム空果房(繊維質廃棄物)の飼料化」に関する成果について述べる。また、放射線改質に関しては、(1)植物生育促進、(2)エリシター活性の誘導、(3)殺菌活性、(4)重金属などの生育阻害の抑制効果について、得られた成果を紹介する。用いた多糖類は、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、セルロース、キトサンであり、放射線分解産物によって誘導される生物活性について述べる。
Pewlong, W.*; Sudatis, B.*; 竹下 英文; 吉井 文男; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.146 - 152, 2000/03
絹は重要な天然高分子資源の一つであり、タイにおける年間生産量1300トンは世界で五番目である。絹タンパク質は優れた生理学的な特性を有しており、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。そこで、環境汚染防止及び資源のリサイクルに役立てることを目的に、絹タンパク質の放射線加工処理による改質効果に関する検討を行った。絹繊維は500~2500kGyの照射で引張強度が低下し、とくに酸素存在下での劣化が著しかった。また、絹繊維は水に対して不溶であるが、放射線分解により溶解性が著しく増大した。照射した絹繊維を純粋中で121、1時間加熱した場合、酸素中2500kGyの照射で約40%が溶解した。0.5N HCl溶液で100、1時間の加水分解を行った場合、未照射では約10%しか溶解しなかったが、酸素中2500kGyの照射では70%以上が溶解した。
竹下 英文; 石田 一成*; 上石 洋一*; 吉井 文男; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.139 - 145, 2000/03
絹は古代より優れた衣料素材として利用されている。さらに近年では絹タンパク質としての機能に着目して衣料分野以外への応用も進められている。特に人の肌との親和性から、医療材料や化粧品素材への応用が期待される。絹の微粉末化は、このような分野においては重要な加工処理の一つである。絹繊維は機械的強度が高く、機械的な粉砕のみで微粉末を得ることは困難である。このため微粉末化にあたっては、水を加えて凍結固化する、アルカリ処理で脆化させる、あるいは濃厚中性塩水溶液に溶解後乾燥するなどの前処理が必要になる。しかしながら、これらの湿式法では溶解-透析-乾燥などの手間や、廃液処理の必要が生じるなど問題がある。演者らは乾式前処理として放射線照射法の適用を検討し、絹繊維の微粉末化に有効な手段であることを示した。
Hien, N. Q.*; Hai, L.*; Luan, L. Q.*; Hanh, T. T. V.*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 幕内 恵三; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.94 - 100, 2000/03
照射したアルギン酸を粘度法にて分子量を求めた。その結果、分解のG値と照射時のアルギン酸水溶液濃度との関係は、Gd=33.5Cである。Cは%濃度(W/V)である。海藻(Sagassum)に直接照射し分解した後抽出により得たアルギン酸がお茶やニンジンの生育促進に有効であることを見いだした。
吉井 文男
JAERI-Conf 2000-003, p.13 - 22, 2000/03
生分解性のポリマーであるポリカプロラクトン(PCL)を(1)室温の固相、(2)融解相及び(3)過冷却相で照射し、(3)が最も橋かけしやすく、耐熱性の高い橋かけPCLが得られた。この時の線量は160kGyである。30kGyの低線量照射では、加工性が良くなり、発泡体や20mのようなフィルム成形が可能になった。ハイドロゲルについては、ポリエチレンオキサイドの強度を高めるため、ポリビニルアルコールを添加すると創傷被覆材に応用できるゲル強度が得られる。得られたゲル型創傷被覆材は、治りが速く、はがす時に痛みを与えないなどの特長を有する。カルボキシメチルセルロース(CMC)が水とよく練りペースト状で照射すると橋かけが起こることを見いだした。以上最近得られた成果をまとめて述べる。
Soebianto, Y. S.*; Ratnayake, U. M.*; 幕内 恵三; 吉井 文男; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.49 - 55, 2000/03
天然ゴムラテックスには、たんぱく質が含有し、これがアレルギーを引き起こすことから、近年問題になっている。そこで放射線加硫天然ゴムラテックス(RVNRL)から、水溶性ポリマーの添加と遠心分離との併用によりたんぱく質を除く研究を行った。種々の方法を検討した結果、RVNRLを50%から30%に希釈し、そこに水溶性のポリビニルアルコールを3Phr添加した後遠心分離を行い50%濃度にする方法が最も有効であった。この方法によるとRVNRL中からのたんぱく質は検出限界以下に低減できる。
長澤 尚胤*; 吉井 文男; 三友 宏志*; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.107 - 119, 2000/03
ベトナム原子力研究所との共同研究により多糖類の一種であるアルギン酸が照射により低分子化し添加すると植物の生育を促進することを見いだした。そこで分子量測定と照射で起こる着色について検討した。分子量は水溶液中に照射した方が固体照射よりも分解しやすい。水溶液の50kGy照射により分子量が510のものが610になる。固体では同じ分子量のものを得るのに水溶液の場合の10倍の線量を要した。分解のG値は固体照射の2に対し、水溶液照射では4050になる。着色については、(1)照射中のNバブリングで激しく起き、酸素バブリングでは着色が起きない。(2)照射着色した試料はオゾン処理により脱色する。これらの事実から、アルギン酸の着色は照射中の二重結合の生成によるものであり、その位置は、CとCの間であると推定した。キトサンもアルギン酸と同じような分解挙動を示す。